ADHD・発達障害
生きづらさの背景に、発達の特性があるかもしれません
ADHD・発達障害とは

ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意・多動性・衝動性の症状が幼少期から継続し、日常生活や仕事に支障をきたす発達障害のひとつです。「やる気の問題」や「しつけの問題」ではなく、脳の機能的な特性によるものです。
ASD(自閉スペクトラム症)は、対人コミュニケーションの困難と、特定の物事へのこだわりの強さが主な特徴です。感覚過敏や変化への適応の難しさを伴うこともあります。
これらの特性は生まれつきのものですが、学校や職場での要求水準が高まる成人になって初めて気づく・診断される方も多くいます。「自分はなぜこんなにできないのだろう」と長年悩んできた方が、診断を受けて初めて自分の特性を理解できたとおっしゃることも少なくありません。
正確な診断と適切なサポートにより、特性とうまく付き合いながら生活の質を高めることができます。まずはお気軽にご相談ください。
主な症状・特性
ADHDの不注意症状
- 仕事でのケアレスミスが多い
- 忘れ物・なくし物が多い
- 締め切りを守れない
- 会話中に話が飛ぶ
- 長時間の集中が苦手
ADHDの多動・衝動症状
- じっとしているのが苦手
- 思ったことをすぐ口にしてしまう
- 順番待ちが苦手
- 衝動買いや衝動的な行動
- 感情のコントロールが難しい
ASDの特性
- 相手の意図・感情が読み取りにくい
- 暗黙のルールが理解しにくい
- 特定の物事へのこだわりが強い
- 感覚過敏(音・光・触感など)
- 急な変化や予定外の出来事が苦手
大人の発達障害によくある困りごと
- 職場での人間関係のトラブル
- 仕事の段取りや時間管理の困難
- 二次障害(うつ病・不安障害)の合併
- 自己肯定感の低下
- 「なぜできないのか」という自責感
※ 上記の特性はすべての方に当てはまるわけではありません。専門医による診断が必要です。
原因・発達障害が明らかになるタイミング
発達障害の背景にあるもの
- 遺伝的要因が大きく関与しており、親や兄弟に同様の特性がある場合が多い
- 脳内のドーパミン・ノルアドレナリンの調節機能の違いが関係している
- 環境要因(育て方や教育方法)は直接の原因ではない
- 幼少期から特性は存在しているが、社会的・職業的要求が高まる大人になってから顕在化することが多い
- 職場での昇進・責任増大・転職などをきっかけに受診される方が多い
- 長年「努力が足りない」「だらしない」と言われ続け、うつや不安の二次障害を抱えているケースも見られます
当院での治療方針
正確な診断・検査
詳細な問診と発達歴の聴取を行います。必要に応じて心理検査(WAIS-IVなど)を実施し、知的能力や認知特性を客観的に評価します。正確な診断が、適切なサポートへの第一歩です。「白黒つけること」が目的ではなく、あなたの特性を理解し、生活に活かすための情報を得ることが目標です。
薬物療法
ADHDに対しては、中枢神経刺激薬(コンサータ等)や非刺激薬(ストラテラ・インチュニブ)が有効です。これらの薬は集中力の改善や衝動性のコントロールをサポートし、日常生活や仕事のパフォーマンス向上に役立ちます。効果と副作用を丁寧に確認しながら調整します。ASDに対して直接効果のある薬はありませんが、二次障害(うつ・不安)への薬物療法は行います。
心理・環境調整
特性に合わせた仕事の仕方・生活の工夫について具体的にアドバイスします。「苦手を克服する」よりも「特性を活かし、苦手をカバーする」視点で取り組みます。職場への配慮依頼(合理的配慮)についての相談にも対応します。また、うつ病や不安障害などの二次障害が合併している場合は、その治療も並行して行います。
